ヨーロッパで活躍中の日本人演奏家2007年04月22日 09時06分57秒

<ウィーン国立歌劇場の「シモン・ボッカネグラ」のポスター。トマス・ハンプソン
<ウィーン国立歌劇場の「シモン・ボッカネグラ」のポスター。
トマス・ハンプソン他錚々たる名前に並んでEijiro Kaiの名前が見える。>

今、ベルリンにおります。今週のベルリンクラシック界はちょっとしたジャパンウィークといった感じで、小澤征爾さんがベルリンフィルの定期演奏会でブルックナーの交響曲第2番とピアノのエマールとのベートーヴェン、内田光子さんがフィルハーモニーの室内楽ホールでのリサイタルにベートーヴェンの後期のバガテルと28番、29番のソナタ、というそれぞれ意欲的なプログラムで登場します。これらの全くポピュラーでは無い作品で、演奏の中身だけで勝負し、しかもチケットは売り切れるのですから大したものです。

ベルリンフィルは、気が付けばコンサートマスター(安永徹さん)とヴィオラのトップが日本人。そのヴィオラの清水直子さんは最近仙台にも登場しましたね。

先週はウィーンにいたのですが、ウィーン国立歌劇場で3人の男性低音歌手が主役を演ずるヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」公演が行われ、そのうちの1人が甲斐栄次郎さんでした。甲斐さんはもう数え切れないくらいウィーンの舞台を踏んでおられますし、そもそもそのオペラハウスの現在のシェフ(音楽監督)は小澤征爾さんです。

ベルリンフィルハーモニーホールのロビーではピアニストの小菅優さんにばったりお会いしました。小澤さんの今回のプログラムのソリストはベルリンではエマールですが、同じプロを他でもやっており、そこでは小菅さんがソロを弾き、ベルリンは覗きにこられたとか。

ソプラノの森麻季さんはドレスデン国立歌劇場で、リヒャルト・シュトラウスの「バラの騎士」の主役級を歌うようですし、一昔前の「日本人はどんなにうまく弾いてもコンサートマスターや首席奏者にはなれない」「器楽奏者はまだしも、歌手は言葉の壁で、本場では難しい」等々言われていたことがあっという間に昔話になり、クラシックの世界でも野球の大リーグと同じように、質量ともにかなりの演奏家が本場で活躍しています。

ということで、せんくらにも、なるべくこれらの方々にも出ていただきたいですね。せんくら2007はもう出演者はすべて決まりで、上記のお名前が出たなかでお一人が出演してくださいます。来年、再来年とせんくらが無事続いていくようなら、更にこの中の何人かには出演していただくことになるでしょう。ご賛同いただけるあなた!やるべきことは分かっていますね。

(今回のヨーロッパ滞在で見たコンサートの雑感は次のアドレス
http://yohirai.asablo.jp/blog/
のブログにアップされています。)

平井洋 せんくらプロデューサー