楽譜捜索2007年04月27日 09時20分36秒

せんくらとは別の仕事の話。

モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」のスコアを探していました。なんでもいいのではなく、ベーレンライター版が必要。しかし銀座のヤマハにも渋谷のヤマハにも置いていないとのこと。輸入で1ヶ月かかり、価格はなんと64,000円!!オーケストラスコアで、豪華ハードカバーとはいえ、音楽家にとっては消耗品。別に好事家のコレクションではないのです。著作権のきれている作品が何故こんなに高いの?

Amazonなんかではドーバー版がいつでも、安く(3,000円くらいで)手に入るようですが、元にしているのがペータース版というわけで、NG。ちなみにドーバーは元々海賊版として流通していた出版社らしく、現在正規出版社に格上げになったものの、ヨーロッパでは販売出来ないんだとか。

さらに余談、その昔海賊版はわざと間違った音を書いて(ドミソのところをドファソとか)、ほらねうちのは違うでしょ、っていう言い訳で販売していたらしい。なるほど~、悪知恵というか、ちょっとしたことでお金になるかどうかの分かれ道。関心してしまいました。著作権の法律が整っている現在ではアウトでしょうが。

脱線してしまいました。そん訳でベーレンライター版を探し続けて、やっと発見。大阪のササヤ書店という楽譜専門の書店で、モーツァルトの7大オペラのミニチュア版全集が22,995円で販売。フィガロ以外は「魔笛」「ドンジョバンニ」「コジ・ファン」他と、今後必要になりそうなスコアが入っている。1冊に換算すると3.285円! しかも送料無料。Amazon顔負けの、カード決済の翌日商品着という素早さでした。

いつか「せんくら」でもオペラやってみたいですね。一幕千円とか、歌舞伎の天井桟敷みたく。舞台美術や衣装や小道具、オーケストラや何やらで通常のコンサートの予算を大きく超えるのは分かっているのですが、是非オペラの面白さを初めての人にも味わっていただきたいな~と思います。

今回ベーレンライター版が必要だったフィガロは、編成をぐっと小さくして15人くらいのアンサンブルと、6人の歌手で出来る2時間のオペラに編曲。コンパクトだけど、斬新。そんな舞台になりそうです。

ベーレンライター版とペータース版の違い? 実は私もよくわかりません。
次回はそのことについて書いてみたいと思います。
もちろんこれから勉強です。

プロデューサーアシスタント 壇 一秀(ダンカズヒデ)