波多野睦美(7)2007年06月23日 10時44分26秒

<共演のつのだたかしさん(リュート)と>


「せんくら」の長い一日の最後は、イタリアのバロックの歌です。

オペラ誕生の立役者カッチーニや、「オルフェオ」の初演400年で盛り上がっているモンテヴェルディ、ヴェネツィアで活躍したストロッツィなどを聞いていただきます。

バルバラ・ストロッツィは、教養と美声で知られた女性作曲家でした。
本人では?と言われる肖像画が残っていて、それは胸もあらわな豊満な美女の姿。

イタリアカンタータの世界に大きな足跡を残し、何巻もの作品集を出版した女性です。その驚嘆すべき仕事ぶりは「女性作曲家列伝」(小林緑編著)に詳しい。

彼女の感慨深い生涯を知らなかったとしても、この人の歌には、女性歌手たちを深く惹き付けるものがあります。

なんといってもメロディーが、ぐっとくるものが多い。

歌心をくすぐるというか、どっぷり浸りたいと思わせるフレーズが満載されている。

今回歌う「聞いておくれ 恋人たち」の詩。

 楽しみは泣くことだけ 私の食べるものは涙だけ

信じていた人に裏切られた者は、最後に苦しみによって殺され埋葬されてしまう、と嘆く。

この「埋葬」という言葉にのせられた最後のフレーズ、最初に聞いた時にはたまげました。1オクターブをはるかに越える大きな跳躍で歌われるのです。

バルバラが自分の声を大胆に駆使しながら、聴衆を魅了していたんだろうなあ。

かと思えば、「愛の神は眠たがり」のようにコケティッシュな軽い曲もあり。

たくさんの芸術家がひしめくイタリアの、バロック時代の若い頃。
その美味しさをみなさまと味わいつつ、仙台の一日を終えたいと思います。

米良美一(7)2007年06月23日 10時45分03秒

今日でせんくらのブログは終了する。

毎日徒然なるままに、日頃の思いや出来事を書き綴ってみたがなかなか
どうして…。

PCにめっぽう弱いボクには、歌うことより荷が重たい。

来週一週間、山形から北海道へとコンサートでずっと家を空けなければならない。

しかし我が家には愛犬「さんぼ」がいるので、ペットホテルに預ってもらうのはしのびないし…。ということで家の近所に住んでいる心優しい友人に、ベビーシッターをいつものように引き受けていただき、ボクは安心して旅立てるのであった。

山形はソロリサイタルだが、北海道は札幌交響楽団との初共演で、どんな喜びが生まれるか楽しみだ。
ちなみに場所は苫小牧。苫小牧では“ハスカップ”を使って作ったお菓子「ヨイトマケ」なるものが存在する。なんだかご縁を感じてしまうボクなのである。

お菓子といえば仙台の銘菓「萩の月」。
今回“せんくら”におけるボクのコンサートに冠を付けてくださっている。

大変有難く光栄なことだと感謝しているのだが、銘菓に恥じぬよう、心してボクは美味なる歌を、聴衆の皆さまにお伝えしたいと今から襟を正しているところなのでございます!!