雄倉恵子(1)「せんくら2006の感想」2007年09月09日 10時46分33秒


少なくとも私にとって、昨年のせんくらは、なかなか厳しいお仕事でした。

昨年のブログにも同じことを書かせていたたのですが、通常はこちらサイドが準備したものでリサイタルなりをやるので、基本的には「こちらが良く知っていて、お客様はよく知らない。」というところで勝負しているのです。

ですから、その結果として敷居が高かろうが、曲が難しそうだろうが、色々とご不満はおありでしょうが、演奏家としてはともかくその位置にいさせていただいているのが普通です。

ところが、せんくらは全く逆でした。こちらがよく知らなくて、お客様がよくご存知の曲を、挙句の果てには清水和音さんとか錚々たる方も同じ曲をお弾きになる・・・・

ともかくお引き受けした以上は、と必死で準備して余裕も何も無く仙台にまいりました。

その結果がどうだったをご判断いただくのは私以外の方の仕事ですから、自分の出番が終わったら、ホッとして少し回りを見渡すことができて、いくつかの本番ものぞかせていただきました。

そうしたら正直驚きましたね。御喜さんの段違いの技術のアコーディオンや、モーツァルトの珍しいソナタのいい演奏、長谷川陽子さんのバランスのいいトークと選曲、リンボウ先生の通常のクラシックとは違ったアプローチの楽しさ、米良さんの圧倒的な歌唱と、凄いクオリティの会が並んでいたのです。

自分はこんなにすごいクオリティのフェスティヴァルに呼んでいただけたのか、と改めて身震いする思いでした。

仲道郁代(1)2007年09月09日 10時47分37秒

Photo: Kiyotaka Saito

今日からブログを担当しますのは、仲道郁代が所属しております音楽事務所、ジャパン・アーツの寺沢光子です。どうぞよろしくお願いいたします。
今年初めて、この「せんくら」に出演させていただく仲道郁代。たくさんの皆さんにお聴きいただけるだけでも光栄ですのに、今回は特に、研究し続けているベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」を演奏させていただけることを、とても喜んでいます。この場をお借りして「ありがとうございます!そして当日会場でお会いするのを楽しみにしています!」という仲道のメッセージを伝えさせていただきます。

ところで、この公演のタイトルは「女王?皇帝を弾く」ですね。これを見たときの郁代さんの反応はと申しますと・・・。
まず、とても早く反応しました!
そして「えっ、女王? これって私のこと?」と郁代さん。
恐る恐る「の、ようですね・・・」と答える私。
郁代さんも恐る恐る「でも、王女とか、姫ってわけにもいかないわよね・・・」
私もさらに小さな声で「そうですね・・・」
続けて、少し大きな声で「今年はデビュー20周年ですし・・・」と私。

そして、これは「皇帝」を弾くから、どうしても呼応した「女王」という言葉になってしまうこと、最後に「?」があること、などなど・・・このタイトルをめぐって、こんな微妙な(!)会話があったのでした。

しかしながら、やはり「女王」です。
今年デビュー20周年を迎えるというキャリアももちろんですが、ことベートーヴェンにかけては、ピアノ・ソナタの連続演奏会を始めた1997年から3回チクルス(全部で32曲もあるピアノ・ソナタを、何回かのコンサートに分けて演奏するシリーズ)を行い、「ピアノ・ソナタ全曲」を11巻に及ぶCDとしてリリース中。ピアノ協奏曲もこれまでに2回のチクルスを行い、今大注目のパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマー・フィルとの共演でDVDとCDとしてリリース。とにかく、ここ10年間ベートーヴェンに特に集中してとりくみ、ありがたいことに、とても高い評価をいただいてきているのですから!

そんな郁代さんの夢は「デビュー40周年にあたる2027年は、ベートーヴェンの没後200年。その時に十分満足のいくベートーヴェンを弾いていること」
クラシック音楽を聴く楽しみのひとつに、同じ曲を違うアーティストで聴く、ということがありますが、きっと同じ曲を一人のアーティストで聴き続ける、という楽しみも、これまた大きな楽しみになることでしょう。
20年後、私はいったいいくつ・・・などとは考えず!これからもどんどん深みを増していく「仲道のベートーヴェン」を聴き続けていただけたら嬉しいです。