プロデューサー・ノート 香港にて2007年10月17日 10時52分30秒

<香港文化中心(香港文化センター)ロビーでの合唱コンサート。背後にオペラ「アイーダ」の垂れ幕が。>


所用で香港に来ています。香港はご存知のようにマネーや観光では大中心地ですが、ことクラシック系の音楽に関しては日本の大都市ほど盛んではありません。

香港文化中心という分かりやすい名前の文化センターが、ペニンシュラ・ホテルやスターフェリー波止場のそばの海岸沿いの一等地にあり、ほとんどの音楽系行事はそこに集約されています。

ここ数日でも、オペラのアイーダが4回、室内オーケストラの香港シンフォニエッタ(今年のラ・フォル・ジュルネ東京にも出ていました)のライト・クラシック公演、民俗音楽と西洋音楽のクロスオーバー型オーケストラ公演などがあります。

日本ほどの質量は無いとは言え、この香港音楽中心はロビーで無料の合唱コンサートが開かれて階段に座り込んで皆が見ていたり、海沿いには三々五々皆がぶらぶらして景色を楽しんでいます。これらの方々がふらっとアイーダのチケットの問い合わせをしたりしているのは、とてもいい風景でした。

せんくらも2回目にしてお客様は整然と目的のコンサートに向かう姿が多く、第1回よりも多くのお客様がおでかけ下さったにもかかわらず、ロビーは昨年よりすっきりした雰囲気でした。

これはこれで大変有難い話ですが、やはり例えば青年文化センターでもロビーなどで無料の公演をやっているとか、ある種のお祭り的にぎわいがもう少しある中でふらっと空いているチケットを買ってせんくら本公演にお入りいただく、といった具合になるような工夫がもう少し必要かもしれません。

それから、ここしばらくある上記の公演を見ても純クラシックオリジナルはアイーダだけで、後は一般香港市民との接点を工夫したクロスオーバー物です。この種のものへの好き嫌いは色々あると思いますが、やはりどこでもアートのあり方を手探りしているのは間違い無いようです。

平井洋 せんくらプロデューサー