アミーチ・クァルテット(2) ― 2007年10月01日 08時14分13秒

August 18
I woke up to the sound of water running through the pipes. I figured it had to already be morning because someone was taking a shower but it was pitch black. And then I remembered I was in the basement and there were no windows down there. Every time I stay at the house in Wurmlingen, I sleep in the basement. The temperature is cooler and perfect for the summer.
Sadao returned the senior-citizen-mobile in the late morning. I practiced a bit and got ready for our trip to Lecco. The plan was to drive Jim’s car and meet Federico in Italy who was coming from Switzerland.
As Jim was backing out of the garage, I spotted a dent on top of the trunk. As the black Honda Accord exposed itself further into the daylight, it revealed its scars from a major hailstorm. Jim said the size of the hail ranged from golf balls to baseballs. He watched from a café in Trossingen as rows of parked cars got battered and shattered.
And upon a second glance, the Accord resembled a golf ball with all its dents. The good news was that the vehicle was more aerodynamic now. Here we come Autobahn!
We hit 210 kph with the remodeled Accord. This was more like it! Within the hour, we crossed the border into Switzerland. The air seemed immediately sweeter from all those wonderful chocolates the country boasts of and that’s exactly what we bought when we stopped for gas. I knew we were driving through the Alps but I couldn’t see it in front of us. Shouldn’t we be able to see one of the largest mountains in the world? Jim explained to me that the road was on a slow incline and we would be in the middle of the Alps before we knew it. Sure enough an hour later we were all singing, “The hills are alive with the sound of music…”
There weren’t any snowcapped peaks but the enormity of the mountains and their reflections against the expansive lakes were breath taking.
The other awesome part of this drive was man made. Switzerland boasts the 3rd longest tunnel in the world at just under 17 km. It’s called the St. Gotthard tunnel and one should think twice before going in if they have Closter phobia since it takes about twenty minutes to drive through.
When we got to the proverbial “light at the end of the tunnel”, we decided to take a break at the next rest stop. The St. Gotthard acts as a divider between the German-side of Switzerland and the Italian-side. In fact, on the other side, it’s called the San Gottardo. Sadao noticed that the atmosphere at the rest stop was already different. People were speaking Italian for one but they were also more affectionate and the salami looked fresher in the ready-made sandwiches.
We crossed the border into Italy and arrived in Lecco shortly after. It’s one of the many towns surrounding Lake Como. We had a nice meal at the hotel that evening and went to bed.
-Yosuke Kawasaki
(訳文)
8月18日
パイプを流れる水の音で目が覚めた。誰かがシャワーをしているから、朝だろうと思ったが真っ暗闇だった。そこで思い出した。私は地下室にいるのだ。そして、ここには窓がない。ヴルムリンゲンの家に泊まる時はいつも、私は地下の部屋を使う。気温が涼しく、夏には完璧だ。
禎夫はその朝遅くに、‘シニアシチズン携帯’を返した。私は少し練習して、私たちのレッコまでの旅の準備をした。ジムの車でイタリアまで行き、スイスから来るフェデリコに会う予定だ。
ジムがガレージからバックで車を出し始めると、私はトランクに凹みを見つけた。黒のホンダのアコードが日にさらされて出てくると、大きなひょう害にやられた傷があらわになった。ジムによれば、ひょうの大きさはゴルフボールぐらいのものから野球ボールぐらいのものまであったそうだ。トロッシンゲンの喫茶店で、何列もの駐車した車がひょうに打たれ、ぼこぼこになるのを見ていたらしい。もう一度見ると、アコードは凹みのいっぱいあるゴルフボールのようだった。良かったのは、ぼこぼこだが空気力学的には良くなっていることだ。さあ、アウトバーンだ!
改造アコードで210キロを出した。いいぞ、その調子だ!1時間もせずに私たちはスイスに入る国境を越えた。空気は突如として甘くなった。この国の誇る、チョコレートの数々のすばらしい香りだ。ガソリンスタンドに停まり、私達はもちろんチョコレートを買った。
私達はアルプスを走っているはずだったが、前方には何も見えなかった。世界一大きな山脈が見えてもいいんじゃないか?!この道は緩やかに登っていて、知らないうちにアルプスの真ん中に出るんだ、とジムが説明してくれた。1時間後には、みなで“The hills are alive with the sound of music…”と、サウンドオブミュージックのテーマソングを歌っていたことは言うまでもない。
雪をかぶった峰は見えなかったが、山脈の雄大さと開放的な湖に映る山々はすばらしく、息を呑んだ。
この旅行で見事だったもう一つのことは、人の手によるものだった。スイスには世界で3番目に長いトンネルがある。たった17kmの地下にだ。セント・ゴットハルド・トンネル(St. Gotthard)と呼ばれるが、通り抜けるのに20分はかかるので、入る前に自分が閉所恐怖症じゃないかよく考えた方が良い。
おなじみの“トンネルの先の明かり”が見えてきて、私達は次の休憩所で休もうと決めた。セント・ゴットハルド・トンネルはちょうどスイスのドイツ側とイタリア側とをわけている。実際、反対側ではサン・ゴッタルド(San Gottardo)と呼ばれている。禎夫は休憩所の雰囲気が既に変わっていることに気づいた。人々がイタリア語を話していたこともひとつだが、人がもっと愛にあふれ、出来合いのサンドイッチのサラミも新鮮に見えた。
イタリアに入る国境を越え、間もなくレッコに到着した。コモ湖をとりまくたくさんの町のうちのひとつだ。その晩は、ホテルでおいしい食事をしベッドに入った。
川崎洋介
プロデューサー・ノート<アミーチのこと> ― 2007年10月01日 16時02分48秒

<ポッドキャストに答える原田禎夫さん>
いささか手前味噌で恐縮ですが、今年のせんくらブログは昨年よりは大分いいと思われませんか?先週の山下洋輔さんや吉松隆さんのように一般雑誌で原稿をお願いしても、なかなか書いていただけないような、文筆としてもプロレヴェルの方のご登場もありましたし、昨年からの継続の方々も大分慣れていい感じになってきたと思います。普通の方にとっては音楽よりも、こちらのほうが人となりとか、はっきりつかめて興味深いかもしれません。
特に今週のアミーチ英語篇は面白いですね。日本人の川崎洋介さんですが、純ドメスティックとは全く違う感覚で、いつもと違う風が吹いています。(これまで思いつきませんでしたが、松山冴花さんなんかも二ヶ国語バージョンだと、よりよかったかもしれません。)
川崎洋介さんは、日本人でジュリアード音楽院の教授にまで上り詰めた川崎雅夫先生のご子息で、これまでNYを本拠に活動していましたが、カナダのオーケストラに呼ばれたり、大阪のセンチュリー交響楽団でゲストコンサートマスターをやっていたり、サイトウキネンや水戸室内管弦楽団に出没したりと、正に世界を又にかけた活動ぶりです。
ポッドキャストでの原田禎夫さんによると、「川崎洋ちゃんは、水戸で弾いていて、体の動きがすごくいいので気に入って声をかけた。」とのことでアミーチに参加することになったとか。
原田禎夫さんは今更言うまでも無く、30年にわたって東京カルテットのチェロ奏者を勤めた日本ナンバーワンの、世界でも屈指の室内楽奏者です。
ドイツの名門音楽大学のトロシンゲン音楽院の教授コンビのジム・クライツと原田禎夫、そして元イ・ムジチのリーダーのアゴスティーニに川崎洋介さんが加わったアミーチカルテットは本当のインターナショナルカルテットと言えるでしょう。
インターナショナルだとかっこいいいですが、大変なのは練習です。ちょっと誰かの家に集まって、というわけにはいきません。ブログにあるように飛行機やらアウトバーンやらを経てようやく集まり、合宿のようなことをしていただくわけです。
弦楽四重奏が「ちょっと難しそう」と敬遠されるのは世界共通ですが、トップクラスのものは必ず人の心を打ちます。びっしりと合宿して準備していただいた、アミーチの4コマは明らかに今年の目玉です。どうぞ弦楽四重奏=室内楽=音楽の真髄を味わってください。
平井洋 せんくらプロデューサー
いささか手前味噌で恐縮ですが、今年のせんくらブログは昨年よりは大分いいと思われませんか?先週の山下洋輔さんや吉松隆さんのように一般雑誌で原稿をお願いしても、なかなか書いていただけないような、文筆としてもプロレヴェルの方のご登場もありましたし、昨年からの継続の方々も大分慣れていい感じになってきたと思います。普通の方にとっては音楽よりも、こちらのほうが人となりとか、はっきりつかめて興味深いかもしれません。
特に今週のアミーチ英語篇は面白いですね。日本人の川崎洋介さんですが、純ドメスティックとは全く違う感覚で、いつもと違う風が吹いています。(これまで思いつきませんでしたが、松山冴花さんなんかも二ヶ国語バージョンだと、よりよかったかもしれません。)
川崎洋介さんは、日本人でジュリアード音楽院の教授にまで上り詰めた川崎雅夫先生のご子息で、これまでNYを本拠に活動していましたが、カナダのオーケストラに呼ばれたり、大阪のセンチュリー交響楽団でゲストコンサートマスターをやっていたり、サイトウキネンや水戸室内管弦楽団に出没したりと、正に世界を又にかけた活動ぶりです。
ポッドキャストでの原田禎夫さんによると、「川崎洋ちゃんは、水戸で弾いていて、体の動きがすごくいいので気に入って声をかけた。」とのことでアミーチに参加することになったとか。
原田禎夫さんは今更言うまでも無く、30年にわたって東京カルテットのチェロ奏者を勤めた日本ナンバーワンの、世界でも屈指の室内楽奏者です。
ドイツの名門音楽大学のトロシンゲン音楽院の教授コンビのジム・クライツと原田禎夫、そして元イ・ムジチのリーダーのアゴスティーニに川崎洋介さんが加わったアミーチカルテットは本当のインターナショナルカルテットと言えるでしょう。
インターナショナルだとかっこいいいですが、大変なのは練習です。ちょっと誰かの家に集まって、というわけにはいきません。ブログにあるように飛行機やらアウトバーンやらを経てようやく集まり、合宿のようなことをしていただくわけです。
弦楽四重奏が「ちょっと難しそう」と敬遠されるのは世界共通ですが、トップクラスのものは必ず人の心を打ちます。びっしりと合宿して準備していただいた、アミーチの4コマは明らかに今年の目玉です。どうぞ弦楽四重奏=室内楽=音楽の真髄を味わってください。
平井洋 せんくらプロデューサー
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