あんさんぶる であるとあるで(7)「せんくらでお会いしましょう」2007年08月25日 09時59分09秒

声といえば、俊太郎さんの声は木管楽器だと思う。以前どこかに、木管四重奏の音色が好きだと書いてくださっていたのですが、俊太郎さんの声がいわば同族の音色なのでとても良く合うと私は常々思っています。

いわゆる美声というのではないけれど、味がある、暖かみがあるところも楽器の中でも木管楽器的だと感じます。それも、オーボエ、クラリネット、ファゴットのようなリードのある木管楽器。

この3つの楽器はリードという葦の小さな棒(板)を付けて楽器全体を鳴らすという共通点があり、そのために独特の木の音色がします。このリードのために大変な苦労を強いられるのですが、かさこそとしたひなびた感じが魅力のひとつでしょう。俊太郎さんの声にはそれがある。リード楽器の響きがあると私は思うのですが、みなさんはどうでしょう?

さてさて、今日で私のブログ当番もおしまいです。
暑い中、脳みそが溶け出しそうになりながら書いた時もありました。
今は涼しい軽井沢で、犬と共に遅い夏休みを過ごしております。
(ほほほ、、、こう書くとかっこいいですが、貸別荘ですよ)

9月は、せんくらに先駆けて浜離宮朝日ホールで俊太郎さん&賢作さんの会に出演します。

また、弦楽器とのアンサンブル「ラ・コレッガ・ディヴェルテンテ」定演では、シューベルトの八重奏曲を取り上げます。

この曲は、私的には大変思い入れがあるので、ぐーたらを返上してさらう所存です。

10月は「せんくら」もあるし・・・今のうちに遊びまくって英気を養わなくては!!

みなさん、拙い文章を読んでくださってありがとうございました。
仙台でお目にかかれる日を楽しみにしております!


[今日の写真]愛犬(はな)とわたし。

-- 草刈麻紀

前橋汀子(7)2007年08月25日 10時00分09秒


こんにちは。
今日でこのブログも最終回となりました。

最終回の今日は、ファリャの「スペイン舞曲第1番」とサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」について。

・ファリャ:「スペイン舞曲第1番」
近代スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャの出世作となったのが1905年に作曲された歌劇「はかなき人生」です。作曲当時のスペイン・グラナダを舞台に、「ジプシー娘・サルが裕福な青年・パコに恋をし、捨てられ、そのパコの結婚式に乗り込み、彼の足元で息を引き取る・・・」というストーリー。この「スペイン舞曲第1番」は、パコとカルメーラの結婚祝宴でフラメンコの歌い手が歌い始め、情熱的な踊りが踊られるときに演奏される曲です。

ヴァイオリンとピアノ版は、先日も登場したクライスラーが編曲したもの。ほかにもギター2台で演奏されたりします。

曲自体は短いですが、その中にもファリャらしいスペインの雰囲気が存分に発揮されています。

・サラサーテ:「ツィゴイネルワイゼン」

スペインの音楽的ながら質素な家庭に生まれたサラサーテは、幼少の時から楽才を発揮し、8歳でヴァイオリニストとしてデビューした天才ヴァイオリニスト。10歳でマドリードの宮廷で演奏し、女王から名器ストラディヴァリを与えられました。その女王の援助のもと、12歳でパリの音楽院に入学。それからは、ロシア、ヨーロッパ各地、南北アメリカで本格的な演奏活動を開始しました。天才ヴァイオリニストとしての演奏活動だけでなく、作曲家としてもヴァイオリンの名曲を数多く作曲しています。

この「ツィゴイネルワイゼン」の「ツィゴイネル」とはドイツ語で“ジプシー”、「ワイゼン」とは“歌”を意味しています。

ジプシー風の曲にハンガリーのチャルダーシュという民族舞曲の要素が加わり、華やかで情熱高い曲となっています。

今回はヴァイオリンとピアノで演奏いたしますが、もともとはヴァイオリンとオーケストラという編成で作曲されました。東京都交響楽団(小泉和裕さん指揮)との協演のCDも出てますので、「せんくら」ではヴァイオリン&ピアノ版を楽しんでいただき、オーケストラ版はCDでお楽しみください!

あっという間の1週間のブログでしたが、みなさんいかがでしたか?

昨年に引き続き2回目の「せんくら」で、ブログも2回目で、、。慣れないことをするというのは少々大変でした。

普段あまりこういうことをすることがないので、ご覧いただいた方、当日コンサートにお越しくださるお客様に少しでも楽しんでいただければと思い、毎日簡単でしたが曲目解説とちょっとしたエピソードを書かせていただきました。

“生”のヴァイオリンの音を“生”で聴いてもらいたい、という私の長年の思いが少しでも伝わればと思います。

プログラム全体はみなさんどこかで聴いたことがある曲ばかりを集めましたが、“生”で聴くと普段聴いているのとは違う感じ方をするはずです。

「せんくら」は低料金で通常のクラシックコンサートより短い時間で聴きやすいものが多いですが、これをきっかけに、“生の音”に興味を持っていただければうれしいです。

当日、コンサート会場でお会いできるのを楽しみにしています!!

前橋汀子