吉松隆(6) ― 2007年08月17日 08時36分50秒

私は、作曲の本業のほかに、クラシック音楽紹介の本や原稿を書いたり、時には自分で(↑こんなふうな)イラストを描いたり、FMの音楽番組で解説をしたりする仕事もしています。
まあ、本業の作曲ではちっともお金にならないので(交響曲を書いても、誰かがお金をくれるということは、滅多にありません。念のため)、日銭を稼ぐ必要に駆られて・・・。
というのは冗談ですが(半分は冗談じゃないですが)、先生などの職に就いていない私にとっては、これももうひとつの重要な仕事と思っています。
そもそもクラシック音楽というのは、素晴らしい音楽の宝庫ながら、楽しむのにちょっとした「コツ」がいるのも事実です。なにしろ大小さまざまな天才たちが200年以上にわたって積み上げてきた宝の山。一番上で派手にキンキラ光っている王冠や、入口で大安売りみたいに並ぶ首飾りは、宝のほんの一角にしかすぎません。
実はその裏に巨大な宝石箱がいくつも隠れていることもありますし、一番大きなダイヤモンドが奥の方に埋まっていることがあったり、時には、隠し扉の向うにもっと大きな宝物殿が潜んでいることだってあります。
そんな中から、自分だけの宝物を見つけ出すためには、(ある程度)自分から探し出す努力や勉強が必要です。私自身も、今でこそ例えばシベリウスやブルックナーの最後の交響曲やロマン派や近現代の様々な作品を「生涯の宝物」として聴いていますが、いずれも、簡単に見つかって最初から「あ、面白い!」とすべてを理解できたものではありません。
むしろそういう音楽ほど、出会った第一印象は「よく分からない」というものが少なくないのです。でも、作品の背景や作曲家のことを知り、その語法や歴史や文化的背景などなど色々なことを知り始めると、「そうだったのか!」という思いと共に興味が深まり、聴き方(聴こえ方)が変わって行くことが多々あります。
最初に出会った時は無愛想でとっつきにくいと思った相手でも、しっかり正面から付き合うことで一生の親友となることは、よくあることです。そういう「人生にはなくてはならない心の友」としての作品との出会いを、少しでも多くの人たち、そして子供たちに味わってもらえたら、という思いで、クラシック音楽についてのあれこれを書き、語り続けているわけです。
もっとも、実を言うと、私がはまりこんでしまった「クラシック音楽」という底なし沼へ、一人でも多く引きずり込みたい…という悪魔のような思惑も、ちょっぴり混じっているのですけどね・・・
・・・・・吉松隆
御喜美江(6) ― 2007年08月17日 08時38分28秒

海が見たいです。
ひろ~い海原の前に立って
遠くに霞む水平線を見たいです。
潮風を胸いっぱいに吸い込み
古い空気を思い切りはきだしたいです。
浜辺に打ち寄せる波の音を
いつまでもいつまでも聞いていたいです。
私にとって、「夏」は「海」です。
でも今年の夏はあまりにも雨が多く、気温が低く、
「海へ行こう!」という日がなかなか訪れません。
この写真はちょうど10日前
ヘルシンキから船で立ち寄ったスオメンリナ島です。
ほんの一時間でしたが
海を前にしたとき、なぜかほっとしました。
今日は小雨の降る肌寒い一日でした。
部屋の中でシベリウスとメリカントを聴きながら
夏の海を思い浮かべています。
ひろ~い海原の前に立って
遠くに霞む水平線を見たいです。
潮風を胸いっぱいに吸い込み
古い空気を思い切りはきだしたいです。
浜辺に打ち寄せる波の音を
いつまでもいつまでも聞いていたいです。
私にとって、「夏」は「海」です。
でも今年の夏はあまりにも雨が多く、気温が低く、
「海へ行こう!」という日がなかなか訪れません。
この写真はちょうど10日前
ヘルシンキから船で立ち寄ったスオメンリナ島です。
ほんの一時間でしたが
海を前にしたとき、なぜかほっとしました。
今日は小雨の降る肌寒い一日でした。
部屋の中でシベリウスとメリカントを聴きながら
夏の海を思い浮かべています。
プロデューサーノート<一流の表現者はネットの使い方も一流(吉松篇)> ― 2007年08月17日 09時37分54秒

今週のせんくらブログ御執筆のお二人は、日本を代表する作曲家、演奏家というだけでなく、ネットを使った表現でも屈指の活動をしておられます。
吉松隆さんは「吉松隆交響曲工房」http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/と名づけられた、極めて充実した個人ホームページをお持ちです。
通常、あるレヴェル以上のホームページは、ご本人はアイディアは出しても、デザインや運営は専門業者に依頼するか、事務所やアシスタントに任されます。ところがどうも、この吉松ホームページはご自身ですべてやっておられるようなのです。
文章やイラストが玄人はだしで、コンピュータやソフト類にも強く、何より編集センスや表現志向を持たなければこれだけのものはできません。
「作曲工房探訪」としてご自身の仕事場環境が写真入りで紹介されていたり、作曲のノウハウまで書かれているのですから、この種のことに好奇心のある方は、一旦入ったらしばらくでてこれないでしょう。
8月17日のせんくらブログにもあるように、ご自身の作曲以外のクラシック音楽の紹介も色々となさっている吉松さんですが、私はシベリウスの後期の交響曲についてはほとんどの知識は吉松さんに教えていただきました。その代表的な論文も、このホームページに入っていますから、皆様も是非ご覧になってみてください。
ちなみに、8月18日(土)5:00~6:00 Date fm(FM仙台)他で吉松さんを特集したラジオ番組も放送されます。詳しくはせんくらオフィシャルサイト出演情報 http://sencla.com/news/syutsuen.htmlをどうぞ。
ちょっと長くなったので、御喜篇は次回に。
平井洋 せんくらプロデューサー
吉松隆さんは「吉松隆交響曲工房」http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/と名づけられた、極めて充実した個人ホームページをお持ちです。
通常、あるレヴェル以上のホームページは、ご本人はアイディアは出しても、デザインや運営は専門業者に依頼するか、事務所やアシスタントに任されます。ところがどうも、この吉松ホームページはご自身ですべてやっておられるようなのです。
文章やイラストが玄人はだしで、コンピュータやソフト類にも強く、何より編集センスや表現志向を持たなければこれだけのものはできません。
「作曲工房探訪」としてご自身の仕事場環境が写真入りで紹介されていたり、作曲のノウハウまで書かれているのですから、この種のことに好奇心のある方は、一旦入ったらしばらくでてこれないでしょう。
8月17日のせんくらブログにもあるように、ご自身の作曲以外のクラシック音楽の紹介も色々となさっている吉松さんですが、私はシベリウスの後期の交響曲についてはほとんどの知識は吉松さんに教えていただきました。その代表的な論文も、このホームページに入っていますから、皆様も是非ご覧になってみてください。
ちなみに、8月18日(土)5:00~6:00 Date fm(FM仙台)他で吉松さんを特集したラジオ番組も放送されます。詳しくはせんくらオフィシャルサイト出演情報 http://sencla.com/news/syutsuen.htmlをどうぞ。
ちょっと長くなったので、御喜篇は次回に。
平井洋 せんくらプロデューサー
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