谷川賢作の股旅日記(6)2007年08月03日 09時31分30秒


7月30日(月)大雨の関越道を一路軽井沢へ。そう、私の父は自他ともに認める、筋金入りの「雨男」なのです。今日も見事にやってくれました。あまりの豪雨で前を行くトラックがまるで散水車のように見える。なんとか予定時刻に、軽井沢大賀ホール到着。父、俊太郎の朗読と私のピアノ、ゲストにチェロの溝口肇さんをお迎えして、詩と音楽の間に「朝のリレー」コンサート。

軽井沢から車で約40分位北にある、北軽井沢「大学村」は谷川家の第二の故郷。こどもの頃は必ず8月の丸一ヶ月を家族全員ここですごしていた。やはり御代田に別荘をお持ちだった、武満徹さん家族とは、お互いに遊びにいったりきたり。武満さん(大の虎キチ)とキャッチボールしたピアニストなんて、世の中広しといえどもオレだけだ(大自慢!)

「朝のリレー」の朗読で幕開けしたコンサートは、まずは朗読をソロでたっぷりときかせたのちに、トークコーナーへ。改まってステージ上で自分の父親とまじめに話すのも変な感じであるが、途中から溝口さんも交えて、夏休みの過ごし方の話しなどをする。そして俊太郎からのリクエストのあった「からたちの花」と「埴生の宿」を溝口さんとデュオで。休憩をはさんで二部はまずは私のソロ。「Blackbird」「Ticket to ride」等ビートルズナンバー。再び溝口さんにご登場頂いて「We're all alone」「She」そして名曲「世界の車窓から」なんと7000回をこえるオンエアだそうで、誰しもこの曲は一度ならずとも耳にしているはず。

そして最後に「旅」の連作詩で親子セッションをして、この日のコンサートは無事終了。大雨にもかかわらず東京から、中には四日市!からいらしてくださった方も。本当に皆様ご来場ありがとうございました。サイン会にも大勢の方が列を作ってくださって感激でした。

さて、このあと故郷軽井沢で私はうかれて飲み過ぎてしまうのであった、、、詳細は、ほぼ日の日記に掲載されています。http://www.1101.com/cgi-bin/photolive.cgi?p=070731karuizawa&s=62&ob

グリーン・ウッド・ハーモニー(7)2007年08月04日 08時44分47秒

「GWHのこれから・・・」  副委員長 佐藤明子

来年2008年,GWHは創立60周年を迎えます。1948年,戦後の混乱した時代の中で4人の若者から始まった集まりが,今は団員約90名を擁する合唱団となりました。今まで,どれだけ多くの人たちがこの合唱団に関わってきたのでしょう。団員・常任指揮者はもちろん,その家族,友人,共演した方々とその周囲の人々…(以下永遠に続く),本当に様々な人たちによって育まれ,支えられてきたということに感謝せずにはいられません。

現在の常任指揮者である今井邦男先生と,GWHとの付き合いは33年になります。共に育ってきた乳兄弟というか育ての親というか恩師というか…とにかく色々な形で,お互いに人生の半分以上を共にしてきたわけです。

さて,歴史を振り返るとそのように感慨深くはありますが,これからGWHはどうなっていくつもりなの?と尋ねられたとしたら,「う~ん…」と答えられないように思います。素朴に地道に合唱音楽と生活を共にしている人々の集まりであるこの合唱団が,今後も必要な限り続いていく…ということだけは言えるでしょうか。

奇をてらわず(不器用すぎてそれどころではない…),出会った音楽の一つひとつに敬意を持って向き合っていく以外に,今までもこれからも,私たちにできることはないと思います。その過程で出会う人たちがまた,これからのGWHを共に育てくれることでしょう。

めでたく還暦を迎えることができました暁には,来年の第56回定期演奏会で,念願の(?)バッハ「ヨハネ受難曲」を演奏します。市内・国内・海外から客演をお迎えし,いつもより規模の大きな演奏会になる予定です。2008年6月15日(日),宮城県民会館へどうぞお越し下さい。
 
そして,一緒に合唱を楽しむ仲間は一人でも多い方が楽しい!いつでも団員募集中です。これからどのような活動ができるか、どんな音楽家と共演できるか、前回まで紹介した内容からもわかるよう、可能性は無限大です。(写真は第1回仙台国際音楽コンクール優勝者アンダローロさんを迎えた演奏会のリハーサル風景です。)

合唱団のHPやせんくらポッドキャスト(7月3日)http://sencla2007.asaren.jp/も是非参考に、まずは一度,練習に遊びにいらして下さい。見て,聞いて,歌って,話してみましょう!お待ちしています。
                            
・・・GWHのステージまであと64日・・・・お待ちしています。

谷川賢作の股旅日記(7)2007年08月04日 08時45分57秒

こうして私たちは今日も旅を続けます。「まったく家に帰らないんですか?こどもさんたち、お父さんの顔忘れちゃうのでは」「外食ばかりでだいじょうぶ?」よくきかれるのですが、どうかご心配なく。私は演奏と作曲の二足のわらじを履く身。ちゃんと家に籠もって作曲している期間もあります。スケジュールの組み方はほんとうに難しいです。一人孤独で曲作りも、みなでわいわい演奏も、どちらも私にとって大切なこと。どんな風に一年のスケジュール帳を埋めていくかは、経験がものをいうし、バランスをとる手腕が問われます。

さて、いよいよ「せんくら2007」もあと二ヶ月で開幕を迎えます。今回は「あんさんぶる であるとあるで」主宰のクラリネットの草刈麻紀さんにお誘いをうけました。一コマは、谷川親子チームと「であるとあるで」の組曲「家族の肖像」を叙情豊かにお届けいたします。もう一コマは、きっとこどもたちが大勢参加してくれると思います。俊太郎の「ことばあそびうた」をはじめ、くすっと笑える詩、大笑いの詩、こわ~い詩、いろいろとびだします。音楽もそのあふれでるコトバの数々に軽妙にからんでいきます。ご期待ください。うれしいことに、2コマとも前売り完売ということです。身がひきしまります。このところ共演も多く、息のあう「あんさんぶる であるとあるで」チームと俊太郎の朗読、私のピアノの織りなすアンサンブルを、どうか心ゆくまでお楽しみいただければ幸いです。それでは10月に仙台でお会いしましょう!

佐々木真史(1)2007年08月05日 10時04分15秒


皆様今日は。仙台フィル首席ヴィオラ奏者の佐々木真史(ささきまさし)です。

今年のせんくらでは、仙台フィル、四季合奏団の他に、ヴィオラコーナーでも皆様とお会いできる事になりました。今からとても楽しみにしております。そこで、今日は、今回のプログラミングについて書いてみたいと思います。

ヴィオラは、元来独奏楽器というよりアンサンブル楽器の色合いが強いんですね。ですから今回はアンサンブルを中心にして、自分の大好きな作曲家の大好きな曲ばかりを集めました。独奏も一つはと考え、バッハの無伴奏組曲第二番からメヌエットを入れました。

ヴィオラのオリジナルの無伴奏曲もいろいろありますし、良い曲もたくさんあるのですが、かなりマイナーであることは否めないので、またの機会にお聴かせしたいと思います。

それにしてもバッハって懐の深い、巨大な作曲家だとつくづく思うのですが、バッハの作品を、バッハが考えたのでない、他の楽器で演奏しても、これが凄くいいんですね。

無伴奏チェロ組曲も、ヴィオラは勿論、コントラバスやサックス等々の様々な楽器で演奏されますが、どの楽器で聴いても、バッハの良さを損なわずに、違った魅力を持って聴けるんですね。本当に凄い作曲家です。

次回はコダーイについて書きたいと思っております。
お楽しみに。

佐々木真史(2)2007年08月06日 08時38分17秒

メインに演奏しますのは、コダーイの2つのヴァイオリンとヴィオラの為のセレナーデです。

ゾルターン・コダーイ(1882-1967)はハンガリーの作曲家で、バルトークと共に、ハンガリーの民謡を採集し、自由に取り入れる事でハンガリー色豊かな作品を生み出した事で知られています。ヴィオラ奏者でもあった彼の作品は、ヴィオラパートの充実ぶりが目立ちます。代表作のオペラ「ハーリ・ヤーノシュ」の中では、ヴィオラが1人っきりで数小節弾く箇所があるんですよ。以前東京でこの「ハーリ・ヤーノシュ」の組曲版を演奏したことがあるのですが、それはもうドキドキものでした。全くのヴィオラソロで始まる曲が1つありまして、何とその1つ前の曲は管楽器だけで演奏されるのです。ですからヴィオラのトップ奏者は音も出せずに、じっとその曲を聴きながら待っていなくてはならず(まだ演奏している方が楽なのです)、その時の緊張感といったら本当に忘れられません。

そもそも「ハーリ・ヤーノシュ」とは主人公のハーリが世界を旅してまわる楽しい物語なのですが、そのヴィオラが1人で弾くメロディーは主人公のハーリが異国で故郷ハンガリーを想って歌う曲なんですね。とても切なく、味わいのあるメロディーなんです。ヴィオラのソロが終わると他の皆も入ってきて、ハンガリーの民族楽器、ツィンバロンも登場します。この楽器が胸をつくような、哀愁のある音色を出すんです。興味を持たれた方は是非CDで聴いてみてください。いつか仙台フィルでも演奏できたらいいなと思います。

次回は2つのヴァイオリンとヴィオラの為のセレナーデについてお話したいと思います。