グリーン・ウッド・ハーモニー(4)2007年08月01日 11時32分30秒

「コンクールとCD」 副委員長 戸松若菜

コンクールに向けての練習は、検討に検討を重ねて選んだ曲に時間をかけて取り組むことのできる楽しい時間です。(7月の定期演奏会後、8月下旬の県大会、9月下旬の東北大会、11月下旬の全国大会まで4カ月ですが、東北・全国大会は毎年違った県に行ける楽しさもあります。)
課題曲と自由曲で計12分ほど、定期演奏会で一度ステージにのせた曲が多いのですが、我らが今井先生は、曲を詳細に分析し、可能なアプローチを次々に試みます。
そのため、前回までの練習で要求されたことはことごとく否定され、歌い手である私たちは時折抗議の声を上げることになります。
そんなときでも先生はすまして「そんな昔のことは言わないで」という調子
コンクール1~2週間前になると状況はさらに極端になり、どう歌っても「そんなに決まっていることのように歌わないで!」と言われるのです。
ちょっとは歌えるようになったなあ、と思っているのですから混乱をきたします。
常に変わり続け、一つのところに留まらない音楽、これで出来上がりということはなく、本番のステージまでどう変わるかわからないのです。今井先生の頭の中には音楽の景色が見えているのだと思いますが・・・
そんな葛藤(?)あるいは努力が報われた表彰式後、ご覧のように団員の表情は一年で一番輝いて見えます。
昨年末には、全国大会9回分の演奏のほか2005年に京都で開催された世界合唱シンポジウムで演奏された鈴木輝昭先生委嘱作品の「斉太郎節考」等、決して起用ではないGWHが一番時間をかけて作り上げた音楽が盛り沢山詰まったCD「Green Wood Harmony Selection Vol2」がBRAIN MUSIC社から発売されました。当日販売予定ですので、是非お聴きいただければと思います。

・・・GWHのステージまであと67日・・・・・・

谷川賢作の股旅日記(4)2007年08月01日 11時44分07秒

7月20日(金)この日の午前中、私は調子にのって、地元の「飯野山」通称・讃岐富士421メートルに登山しました。登山家の友人に言わせると、「それは登山とはいわん、分類上それは「登丘」である」と言われてしまいましたが、なかなかどおしてけっこうきつかったです。日頃の運動不足もありますが、、、汗だくになって降りてきて、連れていかれたのはなんとおそば屋さん!えーっ讃岐でそば!!もちろん初体験でしたが、おいしいおそばを頂き、体力も回復。さて、夜のライブはその「飯野山」の麓に位置する、丸亀・88STAGE 内「布木紙楽土」(ぬのきしらくど)にて。ここは家具とインテリア関連のお店です。音楽ライブもよくされていて、音響もすばらしいのです。昨年のクリスマスに父と朗読とピアノのコンサートを開催して頂いた折に、こんどはぜひ「パリャーソ」でと私が切望し、それがかないました。

お客様は思い思いにいろいろな形のソファや椅子(でも、これは実は販売されている商品群!)に座ってゆったりとくつろいで聴いてくださいます。最前列には妊婦さん(予定日は来月だそう)が気持ちよさそうに。なんか我々の激しい音楽で産気づいてしまったらどうしよう、と余計な心配もしてしまうのですが、終わって彼女のほうから話しかけてきてくれて「リズムの激しい曲だと、お腹でぴょんぴょん動いてすごくノッてるんですよ」とニコッと一言。お腹のお子さんは、どうやらバラード系よりビートのきいた曲のほうを気にいったようだ。そりゃあそうだよなあ。これから、こんなきびしい世の中に出てきて、やっていくんだものなあ。やわじゃあ、やってられんわな。がんばれ~ なにかつらいことがあっても君にはいつも音楽がある。いつの日か「あれ?この音楽なんか懐かしい。ずーっと昔どこかで聴いたような気がする」と思ったらそれは「パリャーソ」の音楽だよ、きっと。

グリーン・ウッド・ハーモニー(5)2007年08月02日 13時32分23秒


「GWHの社会貢献?」  アルト 高泉静子

私が入団した20数年前は、1年間のステージ数は4~5回(定期演奏会、コンクール県大会、東北大会等)が平均でした。が、最近は様々な演奏依頼等をいただき、12~15回程(月に1回以上!)となっています。

これまでに県外では、全国都市緑化フェア、世界合唱シンポジウム(京都)、東日本合唱祭、国民文化祭(一関市)水と緑の音楽祭(郡山市)、高田三郎記念コンサート、東京カンタート(東京)、地元仙台では古くは故島野仙台市長の市民葬献奏、仙台市制100周年式典、仙台アジア音楽祭、宮城国体のテーマ曲録音、さとう宗幸さんのチャリティコンサート、自衛隊音楽隊、仙台フィル特別演奏会(木村政巳氏レクイエム初演)、仙台駅での赤煉瓦コンサート、もう10数年余も続いている東北労災病院でのクリスマスコンサートなど様々な演奏の機会に恵まれて参りました。

また、写真にある仙台城址の土井晩翠像の傍らで1日3回流れる「荒城の月」の演奏はGWHのものです。

そのなかの1つの出来事です。労災病院でのコンサートでは、お客様は患者さんが中心です。ある年、コンサートの最中に一人のおばあさんがベッドに横たわったまま会場に運ばれて、しかも病状は重いご様子で苦しげな表情をうかべているのが歌っている私たちからもわかりました。

ところが、「青い山脈」を歌いながらふとそのおばあさんを見てはっとしました。私たちの歌に合わせてわずかではありますが一緒に口を動かして歌っておられたのです。おばあさんの生命に私たちの演奏が間違いなく届いている・・・ そう思った瞬間私は歌いながら思わず涙がこぼれそうになりました。・・忘れられない経験です。

最近長年の活動やコンクールでの好成績で、宮城県芸術選奨や仙台市民金メダルをいただきましたが、今後も「せんくら」のような演奏依頼に恵まれることが何よりの喜びです。

当日は皆さんの反応、息遣いを感じ、瞬間瞬間を楽しみながら演奏したいと思っています。
                               
・・・GWHのステージまであと66日・・・・・・

谷川賢作の股旅日記(5)2007年08月02日 13時42分12秒


7月28(土) 今日は築地のブディストホールで「築地JAZZ寄席」なる大イベント。で、13時から22時まで、私は大車輪の活躍。フランスからやってきた、アルトサックスの仲野麻紀さん率いる「Ky」との共演、先日の深川和美さんとのデュオ、私自身のカルテット、一日中いろいろなセットでほとんどステージに出ずっぱり状態!決して自分で志願したわけではないのだが、こちらの要望とプロデューサーからの依頼をまとめていたら、このような一日になってしまった。あらら~

そんなエネルギッシュ一日だが、なんといっても本日のハイライトは、落語家の林家彦いち師匠との「セッション」噺とジャズ。決して伴奏にならずに、でもコトバをきかせるのは当たり前だし、どうしよう、と考えてると「おもいっきりきてくださいね!どんなになるかわからないし、とにかく楽しくやりましょう!」師匠の一言でセッションは始まった。

まずは出囃子ならぬ「出ジャズ」から。武闘派といわれる師匠に「ロッキーのテーマ」でがつんとご登場願う。そして、いきなりの古典 の名作「寿限無」が「名前がついたあたりからやります」の一言で始まる。山下洋輔さん流に「めけけけけけけ ちょぱっ ずごがっ らぺろさ ぴきゃろん すぴぴぴん」とこんがらがりつつも、はじけてしまう。

「おもしろい」を連発する師匠。こんどは師匠のオリジナル新作「停電でとまった電車内でサラリーマン、主婦、パンクにいちゃんたちの織りなすアホな騒ぎ」の噺。これは、語りの間合いのうまさにひきこまれて、思わずピアノを弾く手がとまってしまう。抜群のリズム感とタメ方だ。客席でうちの息子の大爆笑が聞こえる。ラストは「車やさんの噺」(タイトルきいたのですが、忘れました、、、)アルトサックスの宮野裕司さんに飛び入りしていただいて、3人でのセッションとなる。

ブルース一本(1曲)でいてまえ~で、演奏がエキサイトするとコトバが聞き取りにくくなってしまうのだが、どうしても噺のもりあがりで、こちらもどんどんもりあがっていってしまう。夢中になって終わって、しばらく放心状態。

こちらは冷や汗ものの企画ではあったが、師匠「いやあ、おもしろかった!またやりましょう。他の噺家さんとやっちゃだめですよ、これ。 ぼくとですよ必ず」の一言を残して、次の現場へ。

昔から落語とジャズの親近性が言われてきたが、いきなりの「セッション」で、がつんと体感させていただきました。間合いとアドリブ。

深い世界だなあ。もっと古典を勉強して、次にそなえようっと。

グリーン・ウッド・ハーモニー(6)2007年08月03日 09時30分50秒

「指揮者と団員の幸せな?関係」 ソプラノパートリーダー 多賀真理

昨年のせんくらはプログラムを手に地下鉄を駆使して楽しませていただきました。そんなせんくらファンのひとりが、今年はステージで歌わせていただくことができるなんて…!わくわくです。
 
さて今回は、私たち団員と今井先生の日常に焦点を当ててみようと思います。

私たちは「ごく普通の街の老若男女」。生活や仕事をそれぞれにやりくりして歌いに来ています。15歳から70歳代半ばまでという年齢の幅はちょっとした自慢。団の中では地位や肩書きを取り去った、みんなただの「ひとりのひと」として存在しています。ある若い団員がベテラン団員の職場を訪ねたところ、絨毯敷きの重役室に通されてびっくりした!なんていう話もあるほどです。ひとりひとりを大切にし、受け入れてくれる懐の深さがあり、20年、30年と長く在団しているメンバーも多くいます。最近は、仕事や家庭の都合で仙台を離れても退団せずに「遠隔地団員」として活動を続ける団員も増えてきて、“関東支部”と称し定期的に自主練習までしています。その後の飲み会が楽しみという声も…。

今井先生は、ほぼ毎回の練習に来てくださいますが、なにぶん“フツーの老若男女”は楽譜にかじりついていることも多く、「ちょっとでいいから指揮見て」と先生がお願いすることも度々。さらには「その指揮じゃわかんなーい」となどとツッコミを入れられたりして、割に合わないね、先生。練習後に食事に行けば行ったで「学生の分はボクが…」と言いつつ、割り勘の計算などしてくださって…。ごめんなさい。でも私たち、先生のこと心底尊敬していますよ。

合唱をするというただひとつの共通の目的で集まっている私たちですが、集まってやっているのは合唱ばかりでもありません。有志を募っては「尾瀬を歩く会」「乗鞍登山」「バラを観る会」等お楽しみが色々です。「ソプラノコンパ」も外せません。そんな中でも伝統のあるのがスキー部です。団員の家族や友人も交えた「田沢湖年越しスキーツアー」はかれこれ20年以上も続いていて、ツアーがきっかけで誕生したカップルもあります。ちなみに私の弟(団員ではナイ)も、これでお嫁さん(団員)をゲットしました。

団員の披露宴には、みんなで出かけて行き、歌でお祝いをします。スペシャルなのは、今井先生がそのために曲を作ってくださること。もう30曲近くにもなります。団員の顔を思い浮かべながら生まれた作品は、先生がその時々に選んだ歌詞と共に味わい深いものです。いつかまとめて「祝婚歌」として出版されないかな。
 
アマチュアにも関わらずなかなかに多い活動と、アマチュアならではの練習量の多さに伴い、私たちが共に過ごす時間は計り知れません。初々しい若い団員が成長し、やがて立派な社会人や親になったり、お孫さんができたり…そんな人生の大事なひと時を、合唱を通じて一緒に進んでいく、ちょっと大袈裟ですが人生を共有しているとも言えるかもしれません。不器用な私たちですが、日常の中に、仲間と共にじっくりと音楽に取り組む場があるということは、ほんとうに幸せな、ありがたいことだと思います。

・・・GHWのステージまであと65日