御喜美江(7)2007年08月18日 09時44分04秒


ちょうどあと7週間でせんくらが始まります。
今回はアコーディオンの遺伝子ともいえる「うた(Lyric)」と「技巧(Virtuosity)」をテーマにプログラムを組んでみました。

尚、これは全く個人的な意見なのですが、アコーディオンに「大曲」といいましょうか、時間的に長い曲はあまり似合わないような気がします。世界コンテストなどでは時折、4楽章からなるソナタなんて大曲も演奏されますが、アコーディオンがそれによってますます面白く魅力的になると思ったことは一度もありません

服といい、カバンといい、靴といい、一目で分かる著名デザイナーのそれを身に纏ったご婦人と道ですれ違いながら、「さぞかし高かっただろうに、それにしても似合っていないなぁ。」と内心思うことがしばしばありますね。似合わないものというのは、どんな努力をしても、結局は似合わないのかもしれません。

その反面、似合うものには不思議なエスプリがあると思います。それが帽子であれ、パイプであれ、手に持つ雑誌であれ、似合うもの同士が一緒になると、1+1=3または4にもなって、素敵な雰囲気がそのまわりに生まれると思います。

スカルラッティのソナタ、グリークの叙情小曲集、ピアソラの作品、フランスバロックの鍵盤曲、これらの作品はどれも長くて5分、短いものは1分にもみたないショートピースですが、「うた」と「技巧」のバランスが完璧で、そこへアコーディオンを持ってゆくと実にピッタリ合う、要するにとてもよく似合う、と私は思います。

今回のせんくらではソロ・コンサートのほか、チェロの藤原真理さんとバッハの「ガンバソナタ」+ロシア民謡の「ともしび」「モスクワ郊外の夕べ」、そして打楽器の池上英樹さんとはピアソラの「リベルタンゴ」他、を御一緒させていただきます。これ等の音楽は、感情をこめて思いっきりうたうことが許され、またどんなにヴィルトーゾに弾いてもぶっ壊れない頑丈さがあるので、思う存分、心残りなく演奏したいと、今から張り切っております。

仙台クラシックフェスティバルの主催者、関係者、そして多くのボランティアの方々による、目に見えるところ、見えないところでの多大なご援助と、これほど沢山のコンサートを3日間で行なうための計り知れないご苦労、そして何よりもクラシック音楽を愛する皆様の熱い思いに、私は大きな感動と深い感謝の念をおぼえます。

最後になりますが、7日間も私の拙い文章と写真をご覧くださいまして本当にありがとうございました。仙台でお目にかかれるのときを今から楽しみに心待ちしています。

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