「2007年が記念イヤーの作曲家たち」2007年05月06日 12時25分14秒

よそ様の音楽祭では、テーマを設けるのが普通です。「モーツァルト」「バッハと息子たち」といった作曲家ものとか「フランス音楽」といったお国もの、「ドラマ性と音楽」「成熟から爛熟へ」といったキーワード物、「ゲーテの<ファウスト>にちなんだ作品」などという高尚なものもあります。

それに対して、せんくらは基本的にはテーマは設けません。それらに縛られずに、「聴いたことのあるメロディーがでてくる」とか「どうせならテレビで見たことのある人を見たい」とか、なるべく一般的な聴衆の皆様の本音に近いところで、クラシックの敷居を低くしたいからです。

とはいっても昨年のモーツァルトのように広報費をかけなくても世間様でたくさん宣伝してくださるようなときは、それを使わせていただかないと損、ということもあり、結局いまのところ、「テーマは無いが、ある程度その年の流れには乗る」といったあたりが折り合い点となっています。

で、今年は記念イヤーにあたる作曲家はシベリウス、グリーグ、エルガー。これらの方々は生誕か没後かが50年の倍数となっています。

モーツァルトに比べればぐっと地味なのは否めませんが、私にとってはこの3人は、「最初は少しポピュラーな作品(シベリウス=フィンランディア、グリーグ=ペールギュント、エルガー=愛の挨拶)のあるマイナーな作曲家というイメージだったが、知れば知るほど大変な作曲家、という思いが広がっている。」ということが見事に共通しているのです。3人が3人ともそう、というのが偶然としても、面白いというか不思議な気がします。

詳しいことは、5月15、16日のせんくら記者会見の後にこのブログや、更にマニアックなことは私のブログにでも書かせていただくつもりですが、ともかくこの3人は始めての方がぱっと聴いても、いい感じが残り、好きになってたくさん聴いていってもそれに答えてくれるだけの名作群が控えています。

今回のせんくらでのこれらの作曲家の取り上げ方を、ちょっとだけ漏らしてしまいますと、グリーグには抒情小曲集と言う、リヒテルとかギレリスといった大ピアニストが晩年慈しむように譜面を見ながら弾いた珠玉のリリカルな作品集があり、それを何人かのピアニストが弾いてくださいます。

エルガーには「愛の挨拶」はもちろんですが、「威風堂々」というその名の通りスカッとするような気持ちのよい堂々としたマーチがありますので、それをちょっといつもとは違うバージョン・・・・・・・

後はチラシをご覧ください。チラシは記者会見直後から仙台市内ではあちこちで配られますし、オフィシャルホームページから申し込んでいただければ、無料で入手することも可能です。

せんくらプロデューサー 平井洋