映画音楽からクラシック ― 2007年05月01日 10時21分21秒
クラシック音楽をよくお聴きになる方も、その入り口はさまざまでしょうが、テレビや映画の音楽から親しむようになった方も多いのではないでしょうか。
70年代、FMでは、映画音楽を特集した番組が毎週放送されていました。中学生の身であった私に映画の料金もままならず、新作などはラジオで音楽を聴いて映画の雰囲気を想像していたものです。「サン・トラ」盤の演奏には本物のありがたみ、のようなものがあったように思います。とはいえ、スタンリー・ブラック指揮のロンドン・フェスティバル・オーケストラとか、101ストリングスとか、本物に負けない大編成(?)も聴きものでした。
そんなある週、SF映画「2001年宇宙の旅」の音楽として「ツァラトゥストラはこう語った」(そういう名前の曲なんですね。当時は文語調で「~かく語りき」と呼ばれていました。)の序奏が流れ、オルガンも加わった大オーケストラの轟音に驚きました。そのカッコよさが忘れられず、レコード屋さん(20世紀には街のあちこちにあったものです。)で廉価盤を探して「ツァラ~」を買い、家のポータブル・プレーヤーで、冒頭だけ繰り返し聴きました。残りの部分は、ろくに聴いた覚えがありませんが、とはいえ、初めて積極的に聴いたクラシック音楽ではありました。
柴田聡史
(仙台市市民文化事業団)
70年代、FMでは、映画音楽を特集した番組が毎週放送されていました。中学生の身であった私に映画の料金もままならず、新作などはラジオで音楽を聴いて映画の雰囲気を想像していたものです。「サン・トラ」盤の演奏には本物のありがたみ、のようなものがあったように思います。とはいえ、スタンリー・ブラック指揮のロンドン・フェスティバル・オーケストラとか、101ストリングスとか、本物に負けない大編成(?)も聴きものでした。
そんなある週、SF映画「2001年宇宙の旅」の音楽として「ツァラトゥストラはこう語った」(そういう名前の曲なんですね。当時は文語調で「~かく語りき」と呼ばれていました。)の序奏が流れ、オルガンも加わった大オーケストラの轟音に驚きました。そのカッコよさが忘れられず、レコード屋さん(20世紀には街のあちこちにあったものです。)で廉価盤を探して「ツァラ~」を買い、家のポータブル・プレーヤーで、冒頭だけ繰り返し聴きました。残りの部分は、ろくに聴いた覚えがありませんが、とはいえ、初めて積極的に聴いたクラシック音楽ではありました。
柴田聡史
(仙台市市民文化事業団)
楽都仙台の支え ― 2007年05月02日 09時45分08秒
いよいよゴールデンウィーク、皆様どのようなお休みをお過ごしですか?
連休前半の仙台はとてもいいお天気で、地下にこもって仕事している場合じゃない!と心から思いました。
が、仙台国際音楽コンクール本番も間近に迫り、どの仕事も佳境を迎え、事務所は連日活気づいています(=切羽詰まっています)。
週末には、コンクールを支えるボランティアの皆さんの勉強会が毎週のように開催されています。
「コンチェルト」というコンクール情報誌を発行するなど、市民の目線でコンクールの広報を行う広報宣伝サポート部門、出場者のホームステイを受入れるホームステイ受入れ部門、語学力を活かして出場者のよろず相談窓口となり仙台滞在をサポートする出場者サポート部門、そして、昨年の「せんくら」でもその粛々とした運営で101のコンサートをほぼ定刻どおりにまわし、各方面から絶賛された来場者の受付などを行う会場運営サポート部門。この4部門からなるコンクールボランティアは総勢370名あまり。
皆さん、お休みの日やお仕事が終わったあと、家族の夕食の準備を整えてからなど、時間を遣り繰りして、勉強会や運営会議に駆けつけてくださる…、本当に頭の下がる思いです。
仙台のクラシック音楽シーンはたくさんの市民ボランティアの皆さんが支えているのです。
ところで、仙台のクラシック音楽シーンを支えると言えば忘れてはならないのが仙台フィルハーモニー管弦楽団。
広報宣伝サポートボランティア発行の情報誌名のとおり、コンチェルトが課題曲の中心の仙台国際音楽コンクールは、セミファイナル、ファイナルを仙台フィルと共演してその演奏を競います。
仙台フィルは、ヴァイオリン部門、ピアノ部門合わせて35の課題曲を準備してコンクールに臨むわけで、3回目を迎える今や、仙台フィルのコンチェルトは、ソリストの魅力を存分に活かしたすばらしい音楽です。
10月のせんくらでも、そんな仙台が培った素敵な音楽を楽しんでくださいね!
仙台市市民文化事業団
丹野裕子
連休前半の仙台はとてもいいお天気で、地下にこもって仕事している場合じゃない!と心から思いました。
が、仙台国際音楽コンクール本番も間近に迫り、どの仕事も佳境を迎え、事務所は連日活気づいています(=切羽詰まっています)。
週末には、コンクールを支えるボランティアの皆さんの勉強会が毎週のように開催されています。
「コンチェルト」というコンクール情報誌を発行するなど、市民の目線でコンクールの広報を行う広報宣伝サポート部門、出場者のホームステイを受入れるホームステイ受入れ部門、語学力を活かして出場者のよろず相談窓口となり仙台滞在をサポートする出場者サポート部門、そして、昨年の「せんくら」でもその粛々とした運営で101のコンサートをほぼ定刻どおりにまわし、各方面から絶賛された来場者の受付などを行う会場運営サポート部門。この4部門からなるコンクールボランティアは総勢370名あまり。
皆さん、お休みの日やお仕事が終わったあと、家族の夕食の準備を整えてからなど、時間を遣り繰りして、勉強会や運営会議に駆けつけてくださる…、本当に頭の下がる思いです。
仙台のクラシック音楽シーンはたくさんの市民ボランティアの皆さんが支えているのです。
ところで、仙台のクラシック音楽シーンを支えると言えば忘れてはならないのが仙台フィルハーモニー管弦楽団。
広報宣伝サポートボランティア発行の情報誌名のとおり、コンチェルトが課題曲の中心の仙台国際音楽コンクールは、セミファイナル、ファイナルを仙台フィルと共演してその演奏を競います。
仙台フィルは、ヴァイオリン部門、ピアノ部門合わせて35の課題曲を準備してコンクールに臨むわけで、3回目を迎える今や、仙台フィルのコンチェルトは、ソリストの魅力を存分に活かしたすばらしい音楽です。
10月のせんくらでも、そんな仙台が培った素敵な音楽を楽しんでくださいね!
仙台市市民文化事業団
丹野裕子
バランス=美? ― 2007年05月03日 09時00分44秒
ううきれい・・・。うちの近くで見つけた大輪の花
とらわれのお姫様みたい
こんにちは
今日はまたいいお天気ですねえ!
ゴールデンウィーク後半のハジマリハジマリ~
皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、おもしろいことを聞きましたよ。
美人ってなんだろう?って話なのですが、
100人の女のヒトの顔写真と、その100人を合成して
平均をとって作った写真を混ぜて並べて
美人投票みたいなことをすると、
その平均の写真を一番ビューティフルー!と思う人が多いそうです。
1000人なら、1000人の平均が100人の平均より
もっときれい、らしいです。
いろんな国や時代で違うでしょうが、それはおいといて
バランスなのだ!ってことですよね。
アンバランスがなんとも言えず、良いねーっ!って場合もありますが、
美、にバランスは欠かせないようです。
先日NHKの番組で、建築家の隈研吾氏が
”制約は宝である”という内容のことを話されたそうです。
建築だと、予算、敷地、機能性などの制約ですかね、
その中からこそ独創性が生まれてくるとのこと。
その話をしてくださったのは私の恩師のピアノの先生でしたが、
クラシックもまさにこれなのよ!!と熱く語っておられました。
確かに・・・。
テンポも、調も、強弱も、楽器によってさまざまな制約も。
それから、とにかく進み続けるという制約も。
その中で気持ちよく聞き手に届けようとする時に、
研ぎ澄まされた美しさが生まれるのでしょうね。
制約がなければ、バランス感覚、というのもありえないですもんね。
制約があってこそ、基準ができて、その中でのバランス感覚でもって
美を感じられる・・・。ってことかなあ。
制約だらけのクラシック音楽は、美しくなる土台ができてる、
美しくならざるを得ない、ってことでしょうかねえ。
もうひとつ。
日本刀のことも友人から聞いたのですが、
人を殺す、という目的のもとで、
日本刀は薄さや、長さや鋭さが制約されていて、
その制約の中で作っていた時代の日本刀は
本当にきれいだったそうです。
人を殺す道具としてではなく、単純にきれいな日本刀を
作り始めたら、それほどきれいじゃなくなってしまった、
との話でしたよ。
(ちょっとオソロシイ例になってしまいましたが)
なんだか納得です。
バランスバランス・・・
私はおなか周りがバランス悪いなー うううっ涙
おなかのバランスをとりつつ、
日ごろゆっくり聞けないバランスの良い曲を、
いろいろ聞いてみようかなぁ。
引き続き、みなさま良きゴールデンウィークを
お過ごしください!!
プロデューサーアシスタント 徳田 容子
とらわれのお姫様みたい
こんにちは
今日はまたいいお天気ですねえ!
ゴールデンウィーク後半のハジマリハジマリ~
皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、おもしろいことを聞きましたよ。
美人ってなんだろう?って話なのですが、
100人の女のヒトの顔写真と、その100人を合成して
平均をとって作った写真を混ぜて並べて
美人投票みたいなことをすると、
その平均の写真を一番ビューティフルー!と思う人が多いそうです。
1000人なら、1000人の平均が100人の平均より
もっときれい、らしいです。
いろんな国や時代で違うでしょうが、それはおいといて
バランスなのだ!ってことですよね。
アンバランスがなんとも言えず、良いねーっ!って場合もありますが、
美、にバランスは欠かせないようです。
先日NHKの番組で、建築家の隈研吾氏が
”制約は宝である”という内容のことを話されたそうです。
建築だと、予算、敷地、機能性などの制約ですかね、
その中からこそ独創性が生まれてくるとのこと。
その話をしてくださったのは私の恩師のピアノの先生でしたが、
クラシックもまさにこれなのよ!!と熱く語っておられました。
確かに・・・。
テンポも、調も、強弱も、楽器によってさまざまな制約も。
それから、とにかく進み続けるという制約も。
その中で気持ちよく聞き手に届けようとする時に、
研ぎ澄まされた美しさが生まれるのでしょうね。
制約がなければ、バランス感覚、というのもありえないですもんね。
制約があってこそ、基準ができて、その中でのバランス感覚でもって
美を感じられる・・・。ってことかなあ。
制約だらけのクラシック音楽は、美しくなる土台ができてる、
美しくならざるを得ない、ってことでしょうかねえ。
もうひとつ。
日本刀のことも友人から聞いたのですが、
人を殺す、という目的のもとで、
日本刀は薄さや、長さや鋭さが制約されていて、
その制約の中で作っていた時代の日本刀は
本当にきれいだったそうです。
人を殺す道具としてではなく、単純にきれいな日本刀を
作り始めたら、それほどきれいじゃなくなってしまった、
との話でしたよ。
(ちょっとオソロシイ例になってしまいましたが)
なんだか納得です。
バランスバランス・・・
私はおなか周りがバランス悪いなー うううっ涙
おなかのバランスをとりつつ、
日ごろゆっくり聞けないバランスの良い曲を、
いろいろ聞いてみようかなぁ。
引き続き、みなさま良きゴールデンウィークを
お過ごしください!!
プロデューサーアシスタント 徳田 容子
視覚的整理法 ― 2007年05月04日 12時25分40秒
前回のブログにベーレンライター版とペータース版の違いについて書きます、とお約束したのですが、まだ全く勉強しておりませんで、このテーマは次回に持ち越したいと思います。どうも申し訳ありません・・・え、誰も期待していませんか?
このところほぼ毎日、少しずつ部屋の掃除をしています。模様替えというほどでもないですが、物欲が多いせいかどうしても物が増えていくので、机の周りが散らかっていきます。どうも僕は机(や部屋)が散らかっていると、仕事をする気にならないようです。オフィスでは「出ているものはすべて(壇に)仕舞われてしまう」と同僚に恐れられているのですが、自分の家だとなかなかそうもいきません。
先日、本で読んだのですが、人は日常生活や他者とのコミュニケーションの中で必要とされる感覚の視覚、聴覚、体感覚のうち特にどれか一つを重視する傾向にあるそうです。視覚タイプの人、聴覚タイプ、体感覚タイプ、という具合に。
相手がいずれかのタイプを見極めて付き合えば、より効果的な交渉が出来たり、仲良くなれたりしますよ、という内容なのですが、翻って自分自身を考えると、僕はやはり視覚タイプなのかなと。
こういう仕事をしているので、本当は聴覚タイプが良いんですが。思えば子供の頃から、音楽よりも書道とか図画とかのほうが成績よかったですし。
つまり部屋がキレイだと、モチベーションもあがる(仕事がはかどる)という現金な性格なのです。
これが聴覚タイプの人だと、自然の音が聞こえるとか、上質な音楽が流れていると、仕事がはかどるとか、なんでしょうかね?
ちなみに僕は仕事中に音楽がかかると、全く集中できません。はい。
(写真は掃除後の作業スペース。狭いところに凝縮されてるでしょう?)
音楽を聴く時も音だけより、映像があるテレビとかの方が好きだったりします。シンフォニーよりオペラの方が好きです。でもクラシックのコンサートだと、つい目をつぶって聴いてしまい、ウトウトとしてしまうのですけれど・・・反省。
そんな風に音楽も人それぞれ、色んな聞き方があでしょうから、皆さんもせんくらにお越しいただき、改めて自分なりの音楽の(クラシックの)楽しみ方を再発見してみてはいかがでしょうか?今回も参加型のワークショッププログラムがいくつか用意されています。
あと半月でフェスティヴァル情報公開です。お楽しみに!
プロデューサーアシスタント 壇 一秀(ダンカズヒデ)
このところほぼ毎日、少しずつ部屋の掃除をしています。模様替えというほどでもないですが、物欲が多いせいかどうしても物が増えていくので、机の周りが散らかっていきます。どうも僕は机(や部屋)が散らかっていると、仕事をする気にならないようです。オフィスでは「出ているものはすべて(壇に)仕舞われてしまう」と同僚に恐れられているのですが、自分の家だとなかなかそうもいきません。
先日、本で読んだのですが、人は日常生活や他者とのコミュニケーションの中で必要とされる感覚の視覚、聴覚、体感覚のうち特にどれか一つを重視する傾向にあるそうです。視覚タイプの人、聴覚タイプ、体感覚タイプ、という具合に。
相手がいずれかのタイプを見極めて付き合えば、より効果的な交渉が出来たり、仲良くなれたりしますよ、という内容なのですが、翻って自分自身を考えると、僕はやはり視覚タイプなのかなと。
こういう仕事をしているので、本当は聴覚タイプが良いんですが。思えば子供の頃から、音楽よりも書道とか図画とかのほうが成績よかったですし。
つまり部屋がキレイだと、モチベーションもあがる(仕事がはかどる)という現金な性格なのです。
これが聴覚タイプの人だと、自然の音が聞こえるとか、上質な音楽が流れていると、仕事がはかどるとか、なんでしょうかね?
ちなみに僕は仕事中に音楽がかかると、全く集中できません。はい。
(写真は掃除後の作業スペース。狭いところに凝縮されてるでしょう?)
音楽を聴く時も音だけより、映像があるテレビとかの方が好きだったりします。シンフォニーよりオペラの方が好きです。でもクラシックのコンサートだと、つい目をつぶって聴いてしまい、ウトウトとしてしまうのですけれど・・・反省。
そんな風に音楽も人それぞれ、色んな聞き方があでしょうから、皆さんもせんくらにお越しいただき、改めて自分なりの音楽の(クラシックの)楽しみ方を再発見してみてはいかがでしょうか?今回も参加型のワークショッププログラムがいくつか用意されています。
あと半月でフェスティヴァル情報公開です。お楽しみに!
プロデューサーアシスタント 壇 一秀(ダンカズヒデ)
作曲家の肖像画 ― 2007年05月05日 08時17分50秒
学校の音楽室に付き物なのが作曲家の肖像画。定番は、バッハ、ヘンデル、モーツァルト、ベートーベン。シューベルトやブラームスも並んでいるかもしれません。
バッハは銀色のパンチパーマ風長髪で(あれがカツラであったことを知ったのはだいぶ後のことです)、ベートーベンはもじゃもじゃ頭で目を剥いていて、こざっぱりしてお洒落な雰囲気のモーツァルトとは好対照。シューベルトはちょっと小太り気味(?)
作曲家とその作品に対するイメージに、この肖像画が少なからぬ影響をおよぼしているのではないか。最近になって、そんなことに気がつきました。
たとえばベートーベン。――苦悩しつつも、その苦悩を作品に昇華させた――などといわれても、結局は肖像画のイメージ(頭もじゃもじゃで眉間に皺を寄せている)と照らし合わせて「そうだ、そうだ」と頷いているだけなのではないか?
並んでいたのが写真ではなく肖像画であればこその“刷り込み効果”のように思います。
みなさま肖像画を描いてもらうときは、お気をつけください!
仙台市文化振興課長 斎藤恵子
バッハは銀色のパンチパーマ風長髪で(あれがカツラであったことを知ったのはだいぶ後のことです)、ベートーベンはもじゃもじゃ頭で目を剥いていて、こざっぱりしてお洒落な雰囲気のモーツァルトとは好対照。シューベルトはちょっと小太り気味(?)
作曲家とその作品に対するイメージに、この肖像画が少なからぬ影響をおよぼしているのではないか。最近になって、そんなことに気がつきました。
たとえばベートーベン。――苦悩しつつも、その苦悩を作品に昇華させた――などといわれても、結局は肖像画のイメージ(頭もじゃもじゃで眉間に皺を寄せている)と照らし合わせて「そうだ、そうだ」と頷いているだけなのではないか?
並んでいたのが写真ではなく肖像画であればこその“刷り込み効果”のように思います。
みなさま肖像画を描いてもらうときは、お気をつけください!
仙台市文化振興課長 斎藤恵子
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