山下洋輔(1)2007年09月23日 10時00分13秒


「せんくら」に出るのだからお前もブログを書けと言われて、ありがたくやらせていただく山下洋輔です。ブログというのは、日記や身辺雑記と同じで、面白いと思うことや最近巻き込まれて困ったことやびっくりしたことや嬉しくて飛び上がったことやもう我慢できないテメエころす!というようなことを書くんですよね。でも、そういうの、おれ月刊誌で引き受けていて、毎回出しちゃってるんだよなあ。「猫返し神社創設話」や「追突され事件」や「豚の丸焼きパーティ」なんて面白いけどまた書くのも気がひけるって感じで。

なるべくダブらないようにと思うと、やはり仙台の思い出かなあ。ずいぶん早いうちからジャズグループで行っているんですよ。その時代ごとに必ず強力なジャズ好き集団がいて「あいつら一度呼んでやろうか」っていうわけですね。サンバ好きの溜まり場だった「サラ」というライブハウスにもよく行ったなあ。サンバが日本でこんなに普及する前だから凄い先見の明だったんですね。

そういうライブ一派とは別に伝統的なジャズ喫茶というのもあって、 マル・ウォルドロンの名前からとった「マル」が国分町にありましたね。石油ストーブと珈琲の匂いという昔ながらの雰囲気で格好いいママがいました。きっとこういうのお好きだろうと思って、ある時、作家の村松友視さんをお連れしたことがあるんですけど、村松さんカウンターに座ったらぴたりと決まっちゃって、まさに昔出ていったままのマスターが今帰って来たっていう風情なんですよね。それでレコードのリクエストが「紅茶のオリが浮かんでくるようなジャズってありますか」だもんね。するとすかさずママが「はい」と言ってジャッキー・マクリーンの「ニュー・ソイル」をかけたのには驚いた。どっちもどっちっていうか、これってまさに村松友視の小説の一場面ですよね。いやあ、まいったまいった。

って勝手に感心しているお前はクラシックのフェスティバルに出るんだろう、何をやるんだ、というご質問はごもっともなので、次回からはその辺の事情もお知らせしたい思っております。

コメント

_ 忍 ― 2007年09月23日 14時19分26秒

今はそういう意味での「プロ」がいなくなりましたね。何でも「お好みで」ってごまかさないでほしい。プロとしての意見を聞いているのに、知識も知恵もないんじゃ話にならないわ。

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