プロデューサーノート<NPO「文化創造」ゼミ>2007年09月24日 17時56分36秒

<神戸大学で開かれた文化創造のゼミ風景>

前文化庁長官の河合隼雄先生は、昨年のせんくら直前にお倒れになり、本年亡くなられましたが、お倒れになる直前に「文化創造」というNPOをお作りになりました。
これは文字通り地方に文化を創造するためのNPOです。

先生の死後も、このNPOは活動を継続しており、今回その一環として神戸大学で開かれたセミナーに参加してまいりました。

神戸大学大学院国際文化学の藤野一夫先生と、高知女子大学文化学部の松本茂章先生が指導されている学生の方々とゼミのような形で2時間ほど「せんくら」の話をさせていただきました。

我々の学生時代には大学にアートマネージメントの学科やら講座はありませんでしたが、徐々にできはじめて、今や各地でこの種の学科が増えています。さらにそこから、この種のことが早くから行われている英米の大学などに留学されている方も増えていますし、今後はこういった方々が音楽業界でも多数活躍されるでしょう。

アートマネージメントはその名の通り、アートとマネージメントですから、簡単に言えば芸術とお金と両方に強い専門家を作る、ということが目的になります。大学の教育でも、これまでは、どちらかと言えばアート系の先生のほうが多いように見受けられますが、段々お金に強かったり、現場での帳尻合わせの経験を持つ指導者も増えてきていますから、この方向でともかくお金を捌けるアート専門家の層を厚くするのが大事でしょう。

収入に対して支出が多過ぎると、個人でも家庭でもいずれは崩壊するように、楽しいアートフェスティヴァルでも収支を健全化しないと続けることができません。「ともかく、ひたすらお金に強くなって欲しい。」というようなお話をしてきました。

で、「せんくら」は?。とりあえずチケット単価が1000円と安くても、売り切れればトータルで4000万円以上の収入になります。皆様がチケットを買ってくださるのは、コンサートを聴けるだけでなく、「せんくら」を継続するための投資にもなっているわけです。ですから、このフェスティヴァルが楽しそうだ、と思われたら、「継続のための寄付、と思ってもう1枚買ってください」ということですね。

平井洋 せんくらプロデューサー

コメント

_ 璃子 ― 2007年09月24日 20時17分10秒

アーティストとの折り合いをつけるのが難しいところですが、やりがいのある仕事ですね。怪しいブローカーと一緒にされないといいですが。

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